東大入試2019(入試得点開示)

東大では、合格者の全体平均点は公表されるものの、科目別の平均点は公表されません

そこでこのページでは、2019年度東大入試において、希望した個人に送付された個人別成績(入試得点開示)を集計し、科目別合格者平均点の推定等を行なっています。東大二次戦略を立てる際の受験生の一助となれば。

集計データ概要

集計者数

点数集計へのご協力ありがとうございました!

科類 合格者数 集計者数 網羅率
文科一類 404 58 14.4%
文科二類 364 56 15.4%
文科三類 471 58 12.3%
理科一類 1,128 164 14.5%
理科二類 554 75 13.5%
理科三類 97 16 16.5%
3,018 427 14.1%

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公式発表値との比較

UTaisakuによる集計値と、東大当局による公式発表値との比較です。

凡例
科類 (a)集計値
(b)公式発表値
(a)-(b)
科類 最低点 平均点 最高点
文科一類 351.8333
351.8333
+0.0000
386.8469
378.7604
+8.0865
430.3222
453.2556
-22.9334
文科二類 358.0667
358.0667
+0.0000
380.0244
379.0783
+0.9461
431.6000
457.7000
-26.1000
文科三類 343.0222
342.7222
+0.3000
364.8739
361.4619
+3.4120
416.8667
427.5556
-10.6889
理科一類 334.6889
334.6667
+0.0222
371.5004
363.2257
+8.2747
441.1667
455.6778
-14.5111
理科二類 330.6778
330.3778
+0.3000
356.9370
353.1962
+3.7408
423.6222
431.4333
-7.8111
理科三類 385.7667
385.3778
+0.3889
409.2403
410.8422
-1.6019
476.6000
497.9222
-21.3222

上表の通り、集計データの平均点は公式値(母集団平均)と比較して、理科三類を除き高めに出ています。つまり、以下で解説していく科目別合格者平均点等のデータは、実際の平均点よりやや高めに出ている可能性が高い点、留意してください。

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科目別平均点

概要

合格者科目別平均点(文科)
科類 センター 国語 外国語 数学 日本史 世界史 地理 総合計
【平均(公式発表)】
(満点) 900 120 120 80 60 60 60 550.0000
文科一類 833.3 73.6 83.7 48.4 41.4 39.3 38.9 386.8469
【378.7604】
文科二類 822.9 76.1 78.8 46.2 42.5 37.9 37.8 380.0244
【379.0783】
文科三類 818.1 68.5 78.7 39.5 41.9 38.0 37.4 364.8739
【361.4619】
合格者科目別平均点(理科)
科類 センター 国語 外国語 数学 物理 化学 生物 地学 総合計
【平均(公式発表)】
(満点) 900 80 120 120 60 60 60 60 550.0000
理科一類 824.7 44.0 77.6 71.5 39.0 38.5 - 44.5 371.5004
【363.2257】
理科二類 815.3 42.7 76.0 64.6 35.9 37.2 41.8 - 356.9370
【353.1962】
理科三類 847.3 51.3 85.3 80.6 46.0 42.6 44.0 - 409.2403
【410.8422】

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センター試験

センター試験(900点満点)の合格者平均点(集計値)は下表の通り。いずれの科類も、当然ではありますが、二次試験受験者の平均点(公式発表値)を上回っています。

合格者と二次受験者のセンター平均点(文科)
科類 (a)
合格者平均点
(b)
二次受験者平均点
(a)-(b)
文科一類 833.29 (92.6%) 765.14 +68.15
文科二類 822.91 (91.4%) 794.58 +28.33
文科三類 818.14 (90.9%) 798.20 +19.94
文科全体 824.80 (91.6%) (786.32) (+38.48)
合格者と二次受験者のセンター平均点(理科)
科類 (a)
合格者平均点
(b)
二次受験者平均点
(a)-(b)
理科一類 824.67 (91.6%) 799.62 +25.05
理科二類 815.27 (90.6%) 786.59 +28.68
理科三類 847.25 (94.1%) 801.68 +45.57
理科全体 823.32 (91.5%) (794.86) (+28.46)

※( )内の得点率は、センター試験900点満点に対する得点率を表す。

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センター得点と二次得点の相関

続いて、センター試験(一次試験)の得点と二次試験の得点の間に相関があるかどうか、散布図を見てみます。

結論から言いますと、文科・理科とも、センター試験得点と二次試験の得点間に正の相関はあれど、弱めの相関となっています。

センター試験の結果ももちろん大事ですが、東大入試は、やはり二次試験勝負といった感じです。

【文系】

東大合格者のセンターと二次試験の点数相関(文系)

相関係数は 0.415(95%信頼区間:0.283-0.532、P値:1.5×10-8

(箱ひげ図の箱は中央値、第一・第三四分位点を表示。ひげは最大で箱の1.5倍までとし、その外側のデータは外れ値として表示)

【理系】

東大合格者のセンターと二次試験の点数相関(理系)

相関係数は 0.424(95%信頼区間:0.318-0.520、P値:1.5×10-12

(箱ひげ図の箱は中央値、第一・第三四分位点を表示。ひげは最大で箱の1.5倍までとし、その外側のデータは外れ値として表示)

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国語(文系)

文系国語120点満点)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

文系国語合格者平均点
科類 合格者平均点
文科一類 73.6
文科二類 76.1
文科三類 68.5
文科全体 72.7
東大合格者の二次国語点数分布(文系)

(対象は文科合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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国語(理系)

理系国語80点満点)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

理系国語合格者平均点
科類 合格者平均点
理科一類 44.0
理科二類 42.7
理科三類 51.3
理科全体 44.1
東大合格者の二次国語点数分布(理系)

(対象は理科合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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数学(文系)

文系数学80点満点)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

文系数学合格者平均点
科類 合格者平均点
文科一類 48.4
文科二類 46.2
文科三類 39.5
文科全体 44.7
東大合格者の二次数学点数分布(文系)

(対象は文科合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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数学(理系)

理系数学120点満点)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

理系数学合格者平均点
科類 合格者平均点
理科一類 71.5
理科二類 64.6
理科三類 80.6
理科全体 70.1
東大合格者の二次数学点数分布(理系)

(対象は理科合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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地歴(文系)

地理歴史120点満点、3科目中2科目選択)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

地歴合格者平均点
科類 合格者平均点
地歴合計 日本史 世界史 地理
文科一類 79.3 41.4 39.3 38.9
文科二類 78.4 42.5 37.9 37.8
文科三類 78.2 41.9 38.0 37.4
文科全体 78.6 42.0 38.4 38.1
合格者(集計参加者中)地歴選択パターン
科類 地歴(二次)選択パターン
日本史・世界史 日本史・地理 世界史・地理
文科一類 33% 14% 53%
文科二類 36% 23% 41%
文科三類 50% 14% 36%
文科全体 40% 17% 44%
東大合格者の二次地歴点数分布

(対象は文科合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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地歴の科目間得点調整

東大二次の地理歴史のように、複数科目中から科目を選択して解くタイプの試験においては、選択する科目によって過度な有利不利が生じないよう、科目間で点数分布に著しい差が生じた場合には「得点調整」を掛けることが一般的です。

ただ、2019年度入試の地歴は、科目間での平均点との差はあまりなく、概ね自己採点通りの点数が実際の点数として返ってきているようであり、得点調整は、ほぼなさそうな感じでした。

自己採点入力者中の科目別平均点(地歴)
科類 自己採点入力者
実際の点の平均点 自己採点平均点 自己採点との差の平均
日本史 41.6 39.7 +1.9
世界史 39.5 38.9 +0.6
地理 38.9 38.6 +0.3

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理科(理系)

理科120点満点、4科目中2科目選択)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

理科合格者平均点
科類 合格者平均点
理科合計 物理 化学 生物 地学
理科一類 77.5 39.0 38.5 - 44.5
理科二類 74.0 35.9 37.2 41.8 -
理科三類 88.5 46.0 42.6 44.0 -
理科全体 77.2 38.6 38.4 41.9 44.5
合格者(集計参加者中)理科選択パターン
科類 理科(二次)選択パターン
物理・化学 物理・地学 化学・生物 その他の組み合わせ
理科一類 99% 1% 0% 0%
理科二類 84% 0% 16% 0%
理科三類 94% 0% 6% 0%
理科全体 94% 1% 5% 0%
東大合格者の二次理科点数分布

(対象は理科合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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理科の科目間得点調整

東大二次の理科のように、複数科目中から科目を選択して解くタイプの試験においては、選択する科目によって過度な有利不利が生じないよう、科目間で点数分布に著しい差が生じた場合には「得点調整」を掛けることが一般的です。

2019年度入試の理科は、物理が難しかった一方、生物がやや簡単めな問題だったとの受験者の感想が多く、実際に自己採点でもその様子が見て取れます(下表)。

しかしながら蓋を開けてみれば、科目別の平均点はどの科目も40点前後になっています。

特に自己採点平均が31.3点の物理に至っては、(自己採点入力者の)実際の点との差は+7.7点にもなっています。

問題が難しいと自己採点はややネガティブになるかもしれないことを差し引いても、かなり点数が上乗せされている印象を受けます。ただし、全員一律に同じ点数の点数加算というわけではなく、配点を調整してやり繰りすることで「下駄」を履かせているような感じがします(データが少なく詳細は不明)。いずれにしろ、問題が難化したと思われる時でも、焦らずに、比較的簡単な問題を確実に解き、難問は何とか部分点を稼ぎに行くことが大事になりそうです。思ったよりは点数来るかもしれません。

自己採点入力者中の科目別平均点(理科)
科類 自己採点入力者
実際の点の平均点 自己採点平均点 自己採点との差の平均
物理 39.0 31.3 +7.7
化学 38.3 39.3 -1.1
生物 41.4 43.1 -1.7
地学 39.0 35.0 +4.0

(化学の自己採点との差の平均が-1.0でないのは端数処理の関係です。)

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外国語(文理共通)

外国語120点満点)の合格者平均点および点数分布は下図の通りです。

ほとんどの人(99%)が全問英語選択でしたが、第4・5問を英語以外の言語に差し替えた合格者や、全問を英語以外の言語で解答した合格者もいました。

外国語合格者平均点
科類 合格者平均点
文科一類 83.7
文科二類 78.8
文科三類 78.7
理科一類 77.6
理科二類 76.0
理科三類 85.3
全体 78.7
東大合格者の二次外国語点数分布

(対象は文科・理科の合格者全体。縦軸は人数、横軸は点数)

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英語(文理共通)

さて、外国語のうち英語だけは、入学後の英語のクラス分けのために、点数分布が(やや精緻に)推定できます。

2019年度の英語であれば、上位1割ラインが91点上位4割ラインが80点であるため、正規分布を仮定すれば、合格者点数分布はだいたい下図のようになります。
東大二次英語合格者点数分布(推定)

上の推定分布は、平均76.8点、標準偏差11.1点の正規分布としています。

表にするとこんな感じになります。

東大英語合格者点数分布(推定)
合格者上位 合格者下位 英語(≠外国語全体)
5% 95% 95.1
10% 90% 91.0
25% 75% 84.3
40% 60% 79.6
50% 50% 76.8
75% 25% 69.3
90% 10% 62.6
95% 5% 58.5

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面接(理科三類)

理科三類のみ入試の3日目に面接試験が課されます。

面接試験の評価は開示されませんが、どんなことを質問されたか等についてのアンケート結果は以下のとおりです。

Q.面接では、どんなことを質問され、どのように受け答えしましたか? 良かった点、反省点等あれば、ご記入ください。

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