東大推薦入試
東大の推薦入試は、「超高校級」の高校生を日本中からかき集め、タフでグローバルな市民的スーパーエリートを育成するための選抜入試である。学部学生の多様性の促進、またこれによる学部教育の更なる活性化を目的としている。
2016年度入試から開始される。2015年度まで実施されていた東大後期試験に関しては「東大後期対策」を参照のこと。
入学後に東大最高水準の教育を約束される一方、推薦にあたり要求される条件も極めて高く、また枠も狭い。しかも1校につき男女1名ずつまでしか推薦できない。極めて厳しい入試であるため、東大入学を目指す受験生は、推薦にあまりこだわり過ぎることなく、一般入試での合格をまず第一に考えて勉学に励んでほしい。
(注)このページの情報は、現時点で公開されている情報をまとめたものです。推薦入試への実際の応募を考えている方は、2015年7月公開予定の募集要項を必ず確認してください。
募集人員
合計100名程度。各学部ごとの内訳は以下の通り。
法学部 | 10人程度 |
---|---|
経済学部 | 10人程度 |
文学部 | 10人程度 |
教育学部 | 5人程度 |
教養学部 | 5人程度 |
工学部 | 30人程度 |
理学部 | 10人程度 |
農学部 | 10人程度 |
薬学部 | 5人程度 |
医学部 | 5人程度(※) |
(※) 医学科3人程度、健康総合科学科2人程度
なお、推薦入試の合格者が募集人員に満たなかった場合、余った募集分は、原則として前期日程試験の募集人員に繰り入れられる。また、合格者数が募集人員を超えた場合でも、前期日程試験の募集人員は削減されない。
出願資格・推薦要件
高等学校等を卒業もしくは卒業見込みであり、特定の学問分野に対する強い関心、これを東京大学で学ぶ積極的な意欲を持ち、学校長が責任をもって推薦できる者。
また、推薦できるのは1校につき男女各1人、合計2人までである。男子校・女子校は1人しか推薦できない。また、同一の志願者を複数の学部に推薦することはできない。
入学者選抜方法
合否判定は、出願書類の内容、面接等の審査結果及び大学入試センター試験の成績を総合的に評価して行う。
第1次選考:書類選考。出願書類の内容により選考を行い、概ね学部ごとに募集人員の2~3倍程度を合格(足切り突破)とする。
第2次選考:第1次選考合格者に対して学部ごとに「面接等」の第2次選考を実施。各学部の「面接等」の概略は以下の通り。
学部 | 個別 | 集団 | 備考 |
---|---|---|---|
法学部 | ○ | ○ | 個別面接:提出書類に関連する質問 集団面接:その場で与えられたテーマについての少人数グループでの議論 |
経済学部 | ○ | 面接時に課題遂行能力を試すための課題を課す場合がある。 | |
文学部 | ○? | プレゼン→質疑応答。 | |
教育学部 | ○ | 面接には発表や課題遂行を含む。 | |
教養学部 | ○? | 事前課題として小論文を課す。 必要に応じて、外国語(英・独・仏・中・韓・露・西・伊)の面接を含む。 | |
工学部 | ○? | ||
理学部 | ○ | ||
農学部 | ○? | 面接の一部として課題を設定し、生物学の能力を評価する。 | |
薬学部 | ○ | 必要に応じて、A4用紙2ページ程度の資料を配布可。 | |
医学部 | ○? | プレゼン→質疑応答。プレゼン用のA0ポスターの準備が必須。 |
その後、出願書類の内容と面接等の審査結果および大学入試センター試験の成績を総合的に評価した上で、最終合格者を決定する。
大学入試センター試験
大学入試センター試験は、入学後の学修を円滑に行い得る基礎学力を有しているかどうかを判断する観点から、概ね8割以上の得点が目安とされている。ただし医学部医学科に限り、在学中に通常の医学科カリキュラムに加え研究者育成のための特別プログラムに参加し学業と研究活動を両立させる必要があるため、センター試験の基準点は780点程度(86.7%)とされている。
センター試験にて必要とされる科目は前期試験と同様である(詳細については「センター試験対策#センター利用科目を参照のこと)。ただし、文系受験か理系受験かで推薦入試において志願できる学部が変わってくるので注意。また、推薦入試では英語リスニングの成績も考慮されるので注意が必要である。
学部学科 | 基準点 | センター試験受験方法(科目選択) |
---|---|---|
法学部 | 720点 (80.0%) | 文系受験のみ可能 |
経済学部 | ||
文学部 | ||
教育学部 | 文系受験・理系受験の両方が可能 | |
教養学部 | ||
工学部 | 理系受験のみ可能 | |
理学部 | ||
農学部 | ||
薬学部 | ||
医学部 総合健康科学科 | ||
医学部 医学科 | 780点 (86.7%) |
出願時期・入試スケジュール
日程 | 内容 |
---|---|
7月 | 入学者選抜要項、募集要項の公表 |
11月上旬 | 出願期間(1週間程度) |
11月中旬 | 第1次選考(書類審査)実施 |
11月下旬 | 第1次選考合格者発表 |
12月中旬 | 第2次選考(面接等)実施 |
1月中旬 | 大学入試センター試験 |
2月上旬 | 最終合格者発表 |
出願期間は11月上旬に設けられている。下旬には書類選考による足切りが行われ、突破者には12月中旬に面接等が実施される。その後1月中旬実施のセンター試験の結果も考慮し、2月上旬の合格発表を迎える。
推薦入試に不合格だった場合でも、東大前期日程試験を受験することができる。ただし、前期試験への出願は推薦入試とは別に行う必要があり、前期試験の出願期間は推薦入試の合格発表(2月上旬)よりも前(1月下旬~2月初旬)であるため、注意を要する。
推薦要件(要求レベル)
出願時には、入学志願票や調査書などに加え、推薦生が各学部の推薦要件に合致する類稀なる人材であることを示すための「学部が求める書類等」を提出する必要がある。
「在学中に執筆した論文」だの「科学オリンピックの成績」だの大層な文字が踊るが、これはあくまでも例えである。要するに、高校時代になんかすごいことをして、それを自慢した書類を送れ、ということである。
入学後
入学後は、進学選択先が既に内定した1年生という扱いになる。つまり、前期課程(1・2年生)のうちは文一から理三までのうち志望学部が指定する科類に分かれて勉強し、進学選択を経ることなく、後期課程(3年生~)からは出願時に志望した学部等へ進学する。
さらに推薦入試合格者は、前期課程において、早期に専門教育に触れる機会の提供や、学修について個別に助言・支援する教員の配置などの措置を講じられる、とされている。
なお、推薦入試合格者が所属する科類は以下の通りである。
志望学部 | 指定科類 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
文一 | 文二 | 文三 | 理一 | 理二 | 理三 | |
法学部 | ○ | |||||
経済学部 | ○ | |||||
文学部 | ○ | |||||
教育学部 | ○ | ○ | ○ | |||
教養学部 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
工学部 | ○ | ○ | ||||
理学部 | ○ | ○ | ||||
農学部 | ○ | ○ | ||||
薬学部 | ○ | ○ | ||||
医学部 健康総合科学科 | ○ | |||||
医学部 医学科 | ○ |
その他注意事項
- 浪人・再受験生も、学校長が責任をもって推薦できるならば応募可能である(もちろん現役の枠を食ってしまうことになるので、現実的には厳しいだろう)。また、志願者の学習成果等は、原則として高等学校等在学中のものと定められている。
- 外国の高等学校の卒業生はこの推薦入試には応募できない。外国学校卒業学生特別選考(いわゆる帰国子女枠入試)か一般入試(前期日程試験)に応募すること。