東大薬学部

東大薬学部は、薬剤師になるというよりは、総じて創薬科学研究を行う専門家を養成する学部である。もちろん薬剤師になるコースも存在するので安心されたし。

東大薬学部には「薬科学科」と「薬学科」の2学科が存在し、所属学科は4年次に決定する。薬科学科と薬学科の最大の違いは、薬科学科が(教養前期も含めて)4年制であるのに対し、薬学科が6年制である点である。薬学科は主に薬剤師の国家資格の取得、および質の高い薬剤師の養成を目的としたコースであり、半年間の病院や薬局での実習が含まれる。定員は全体の1割(8人)。薬科学科は、創薬科学研究を行っていく学科である。定員は全体の9割(72人)。薬科学科に進んだら薬剤師の資格が取れないというわけではない。薬剤師法改正に伴う経過措置が終了し、薬剤師国家試験の受験資格は6年制の薬学科卒業者のみに与えられる。

定員・進振り底点推移

薬学部の定員数の変化と、各科類から薬学部に行くために必要だった最低点数の推移。ただし、定数に関しては、実際の進学者数が定数を上回ることもある。

年度 定数 科類別必要最低点数
合計 第一段階定数 第二段階定数 第一段階 第二段階
指定科類 全科類 指定科類
理二理一三 理科 理二理一三文科 理科文科
2016 80 32 16 8 24 82.179.682.1 78.3x
2015 81.280.081.2 78.0x
2014 81.478.481.4 77.8x
2013 80.174.380.1 55.2x
2012 81.980.581.9 79.7x
2011 81.877.681.8 79.2x
2010 82.780.482.7 79.2x
2009 81.581.581.5 77.6x
2008 82.482.482.4 77.8x
年度 科類別進学者数
第一段階 第二段階
指定科類枠 全科類枠 指定科類枠
理一理二理三 文一文二文三理一理二理三 理一理二理三
2016 1632 116 331
2015 1632 8 426
2014 1632 17 325
2013 1632 8 221
2012 1632 8 325
2011 1632 8 30
2010 1632 17 132
2009 1632 35 524
2008 1632 26 623

<凡例> x:募集なし 赤字:底割れ(定員割れ)

進振り底点推移図

進振り第一段階と第二段階を合わせて、結局、東大薬学部への進学には何点が必要なのか、を見やすくしたグラフ。

■:第二段階で特殊な計算方法を用いる
▼:底割れ(定員割れ)

薬学部に進学するには、例年80点近い点数が必要であるが、2013年度進振りだけは底割れ(定員割れ)を起こしている。突然の底割れで随分と関係者を驚かせたようだが、事前の志望集計でも不人気傾向が出ていたため、残念ながら「高度な情報戦」ではなく、実力で底割れしてしまったようである。

さて、薬学部の定員であるが、特筆すべき点として、カリキュラムがやや物理寄りの理科一類からも、多くの学生を進振り第一段階(の指定科類枠)で受け入れている点が挙げられる。

一方、薬学部人気は理二の方が高いため、年によっては、理一の底点が理二のそれよりも低くなる現象が発生している。

また後述するように、薬学部は進振り第二段階の平均点計算に特殊な計算方法(進学先指定平均)を用いていた。

なお、文科生が全科類枠を使い薬学部に進学する場合には、必ず第一段階で志望しなければならない(第二段階には進学枠がない)。

重率変更

(~2016年度)第二段階(理科全類)
2016年度進振りまで、「物性化学」「熱力学 or 化学熱力学」「生命科学 or 生命科学Ⅰ」の成績上位2科目4単位の重率が「5」になっていた(例えば、この2科目の点数が単純平均点よりもそれぞれ10点ずつ高かった場合、平均点は2点近く上昇した)。

要求科目

文科全類(計3 or 4単位)
【物性化学、「熱力学 or 化学熱力学」、「生命科学 or 生命科学Ⅰ」】から2科目

要望科目

全科類
総合科目E「化学薬学概論、生物薬学概論」

学部Webサイト

東京大学 大学院薬学系研究科・薬学部

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