東大後期・総合科目Ⅲ対策

総合科目Ⅲは、東大後期最初の試練、小論文である。

死んだ目をした受験生に、容赦なく2時間で総計2000~3000字程度の小論文を課す。過去には、なぜか世界史・日本史の知識が問われたり、小論文の題材として古文が使われたりと、まあ色々と無茶苦茶な試験である。

総合科目Ⅲを攻略せよ!

東大後期・総合科目Ⅲ(小論文)出典一覧

年度 第一問 第二問
2015 井上達夫『共生の作法 ―会話としての正義―西成彦『ターミナルライフ 終末期の風景
2014 佐藤純一「健康言説を解体する」
(公益財団法人たばこ総合研究センター
現代社会再考――これからを生きるための23の視野
所収)
四方田犬彦『人、中年に到る
2013 原広司『空間〈機能から様相へ〉』(単行本版渡辺浩『日本政治思想史
2012 徐京植『汝の目を信じよ!義江彰夫『神仏習合
2011 和田伸一郎『メディアと倫理
画面は慈悲なき世界を救済できるか
荻生徂来『政談』辻達也校注、岩波文庫
2010 川勝義雄『中国人の歴史意識加藤尚武『戦争倫理学
2009 インタビュー・構成=刀祢館正明
「フランスの歴史家アラン・コルバン氏に聞く」
(朝日新聞夕刊1998年3月17日付)
市川浩『〈身〉の構造 身体論を超えて
単行本版
2008 東京高等裁判所判決平成10年2月9日
高等裁判所民事判例集51巻1号1頁以下
石田春夫『「ふり」の自己分析―他者と根源自己

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総合科目Ⅲ・解答用紙のレイアウト

解答欄の大きさ・記述文字数

基本、前期の国語の解答用紙と同じような感じである。

「行枠のみ」とは東大前期・国語の試験のように、マス目ではなくただ行枠のみが引いてあり、書きようによっては小さい文字でぎゅうぎゅうに押し込めることも可能な、あの解答欄のことを指す。でももちろん、採点官に読める大きさの字でないとダメ。当然だが、解答欄1行に2行以上書くのは反則。

年度 設問 字数制限 マス目 行枠のみ 備考 合計
2014 第一問 問一 500字以内 20字×25行 2000字以内
問二 500字以内 20字×25行
第二問 問一 500字以内 20字×25行 日本史・倫理の知識を要する
問二 500字以内 20字×25行
2013 第一問 問一 500字以内 20字×25行 世界史の知識を要する 2000字以内
問二 500字以内 20字×25行 世界史の知識を要する
第二問 問一 500字以内 20字×25行 日本史・倫理の知識を要する
問二 500字以内 20字×25行 世界史・倫理の知識を要する
2012 第一問 問一 500字以内 20字×25行 世界史の知識を要する 2000字以内
問二 500字以内 20字×25行 日本史・世界史の知識を要する
第二問 問一 500字以内 20字×25行
問二 500字以内 20字×25行
2011 第一問 問一 500字以内 20字×25行 世界史の知識を要する 2000字以内
問二 500字以内 20字×25行
第二問 問一 500字以内 20字×25行
問二 500字以内 20字×25行
2010 第一問 問一 400字以内 20字×20行 世界史の知識を要する 2700字以内
問二 800字以内 20字×40行
第二問 問一 500字以内 20字×25行
問二 1000字以内 20字×50行
2009 第一問 問一 12.5 ㎝×7行×2題 世界史の知識を要する 3000字程度
問二 1000字以内 20字×50行
第二問 1500字以内 20字×75行
2008 第一問 問一 400~600字程度 2400字程度
問二 600字以内 20字×30行
第二問 問一 250~300字程度
問二 1000字以内 20字×50行

小論文の基礎の基礎

段落の最初の一文字は空ける

小論文においては、いわゆる「原稿用紙の使い方」に則って答案を書く必要がある。すなわち、段落の最初の一文字目は空ける、行頭に、読点(、)だの句点(。)だの鍵括弧閉じ(」)だのは来ない、といったルールは必ず守らなければならない。

なお、東大小論文の解答用紙のマス目は例年、一行20字である。

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いくつかの段落に分ける

ある程度長い文字数を書かせる小論文は、いくつかの段落に分けて文章を構成しなくてはならない。500字の字数制限であれば、2~3段落ぐらいに分けるのがよいだろう。

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総合科目Ⅲ・基本戦略

小論文は論理をとにかく重視

後10-6:大学への名無しさん:2010/03/11(木) 17:31:47 KJd+9bew0
小論は論理さえしっかりしてれば大丈夫だと思う
時間は今日明日にでも一時間で1000字程度書く感覚を身に付けるといい

と、うちの教師は言ってた

英語の自由英作文を書くときに意識した「論理展開」をそのまま小論文にも適用するような感じで。

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ポイントを整理。いきなり書き始めない!

「いきなり書き始め、あとは自分の思うままに書き連ねていく」というだけでは、途中で確実に論理が崩壊し、意味不明な読みにくい文章になってしまうので注意が必要。

書き始める前には必ず、自分の主張や論拠を、箇条書きにでもして論理展開や論点を整理してから書き始めること。要素はなるべく多く盛り込んだ方がいいが、優先順位を間違えないように。

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書くことのアイデアが全く思い浮かばない!

逆に考えるんだ。「自分の主張を逆にしてみたら……」と考えるんだ。

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総合科目Ⅲ・知識問題対策

教科書や資料集で

総Ⅲでは(世界史を履修していない人に対しても)なぜか毎年、世界史の知識を要する問題が出題されてきた。近年では、日本史や倫理思想史の知識まで問われるようになってきており、問題を解くにあたって幅広い知識が求められている。これら科目を未履修の人は、もし対策するをするなら、世界史や日本史、倫理などの教科書・資料集を読んで、大まかな流れを頭に入れておくのがよいだろう。本をただ読むだけなら気楽にできるし、何より前期の結果が気になって後期の勉強なんて手に付かないだろうと思われるので、ちょうどよい。教科書や資料集なんて持ってねーよ、という人は文系のご友人にでも譲ってもらおう。もしくは、amazonで「世界史」と検索するとか?

ただ、知識問題が解けなくても後期で合格した人は大勢いるので、正直知識問題が解けなくてもしょうがないと割り切った方がいいだろう。過去に出題された知識問題はほとんどが世界史の知識問題であったが……。自分の得意な分野の知識問題が出題されることをただひたすらに祈るしかない。

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結局、総合科目Ⅲへの対策としては

プロの文体の研究

結局のところ、小論文は慣れによる要素が大きいので、まったくの小論文の初心者は、赤本青本を買ってきて、小論文のプロの方々が自分の名誉を賭けて仕上げた小論文の答案例を研究するのがよいだろう。もちろんここまでキレイな答案を作るのはまず無理だが、上手な文例、論理展開例などは積極的に盗んでいくことが重要である。

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まあぶっちゃけたところ

小論文の参考書はいろいろあるが、まあだいたい書いてることはどれも同じである。前期試験終了後には、小論文の参考書を買い込んで「さあ小論文を書くぞ~~!」と固く決心することだろうが、おそらく東大前期の結果が気になって後期の勉強へのやる気はなかなか起きない、ましてこんな鬼畜な小論文なんて解く気は起こらないと推測される(汗)。

総合科目Ⅲの試験対策ページでこんなことを言うのもどうかと思うが、総合科目Ⅲの対策をがっつりやるよりは、総合科目Ⅰや総合科目Ⅱの対策をやる方が無難かと思われる。で、本番の総合科目Ⅲでは論理に気をつける、と。

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