進学選択制度
進学選択制度とは
従来の「進学振分け制度」に代わる新しい制度である。
2015年度入学生から適用される。2014年度以前に入学し留年・降年した学生は、原則として従来の進振り制度の下で3年次以降の進学先を決めることとなる。
旧進振り制度との違い
新しい進振り制度(進学選択制度)の、旧制度からの主な変更点は以下の通りである。
- 全履修科目単純平均
- 2年夏「途中」までの成績で平均点計算
- 修得すべき単位数の減少
- キャップ制(単位履修上限)の導入
- 要求科目の修得期限変更
- 重率・履修点の対象段階の拡張
- 進振り「第三段階」の導入
- 志望理由も考慮?
- 進振り日程の前倒し
全履修科目単純平均
(旧)規定の16単位を超えた総合科目の単位は、重率0.1で平均点計算。
(新)全履修科目単純平均(規定の単位を超えて修得した総合科目の単位も、重率1で平均点計算)。
つまり、旧進振り制度で行われていた総合科目追い出し(塗り替え)ができなくなった、ということである。
2年夏「途中」までの成績で平均点計算
(旧)2S2タームまでに修得した単位で平均点計算。
(新)2S1タームまでに修得した単位で平均点計算。
旧進振り制度では、2Sセメスター・2S2ターム(旧3学期)までに修得した単位を用いて平均点計算が行われていたが、新制度では、2S1タームまでに修得した単位を用いて平均点計算が行われる。つまり、2S2タームのみならず、2Sセメスターのセメスター講義の成績は平均点計算に使用されない。
修得すべき単位数の減少
(旧)前期課程の2年間で、文科生は70単位、理科生は76単位の取得が必須。
(新)前期課程の2年間で、文科生は56単位、理科生は63単位の取得が必須。
進振り制度というよりは履修制度・カリキュラム制度の変更であるが、旧制度と比較して修得すべき最低単位数が約2割減少した。その分、授業時間は90分から105分に延長されてはいる。
また、旧履修制度で存在した、1年次→2年次の進級条件が撤廃され、1年生は無条件で2年次に進学できることとなった。ただしこの進級条件は「進振り参加条件」へと受け継がれているので、0単位で2年生になっても進振りに参加できずに降年することとなる。
キャップ制の導入
(旧)週60単位(約30コマ)も可能(土日除く)
(新)一部の例外を除き、1セメスターにつき30単位までしか履修できない
こちらも進振り制度というよりは履修制度の変更であるが、キャップ制の導入により、セメスター毎の履修登録単位数の上限が30単位となる。つまり、平均して週に約15コマを超えては履修登録ができない、ということになる。
対象となるセメスターは1Sセメスター・1Aセメスター・2Sセメスターであり、2Aセメスターは対象外である(後期課程の各学部開講の専門科目を履修することになるため)。
この「セメスター」には、1セメスター通して行われる授業だけでなく、ターム完結の授業も含まれる。つまり極端な話、1S1タームで30単位履修登録してしまうと、1S1タームの成績如何に関わらず、1S2タームには1単位も履修登録できなくなる。
なお、キャップ制から除外される科目(履修登録単位数上限に引っかからない科目)は、以下に示す科目である。
- 集中講義
- 主題科目「国際研修」
- 総合科目L系列「国際コミュニケーション」のTLP(トライリンガル・プログラム)科目
- 他クラス聴講
- 後期課程学部が開講する専門科目(教職科目の一部や法学部「憲法」などが該当)
要求科目の修得期限変更
(旧)要求科目が設定された学科を志望する際には、2S2ターム終了までに該当科目すべての修得が必要。
(新)要求科目が設定された学科を志望する際には、2S1ターム終了までに該当科目すべての修得が必要。ただし、2S2タームまたは2Sセメスターの開講科目が要求科目として指定された場合には、その科目の修得を条件として志望登録が可能(単位が修得できなかった場合には内定取り消し)。
また、旧カリキュラム制度下では要求科目は理系学部が文科生に対して課すものであったが、新カリキュラム制度下では一部例外も存在するため注意を要する。
2015年度入学生に適用される要求科目については「要求科目一覧(2015年度入学生)」を。
2014年度入学生に適用される要求科目については「要求科目一覧(2014年度入学生)」を参照のこと。
重率・履修点の対象段階の拡張
(旧)学科により、重率・履修点の変更が第二段階のみ行われる場合がある。
(新)学科により、重率・履修点の変更がどの段階でも行われる場合がある。
旧進振り制度では第二段階でのみ行われていた重率・履修点の変更が、新しい進振り制度では第一段階でも行われるようになる。
進振り「第三段階」の導入
(旧)第二段階までに進学内定しなかった学生は、再志望へ進む。
(新)第二段階までに進学内定しなかった学生は、第三段階へ進み、ここでも内定が得られない場合は再志望へ進む。
第三段階の詳細は不明であるが、「成績等の評価と異なる尺度を用いて行う場合がある」とされている。ただし現時点での定数案(2015年4月発表)では、進振り定員はすべて第一段階と第二段階に割り振られており、旧進振り制度における「再志望」をそのまま「第三段階」にスライドさせただけな感がある。今後変更されそう。
志望理由も考慮?
(旧)成績のみで判断
(新)教員が志望理由書なども踏まえて総合的に判断?
詳細は不明である。蓋を開けてみれば、志望理由が求められるのは「第三段階」だけでしたーみたいな展開もあり得る。全段階で導入されるのならば革新的であるが、志望理由を一体どう評価するのかという問題がつきまとう。全段階ではないにしても多くの東大生が志望理由を書くことになるのであれば、UTaisaku としては志望理由を収集し蓄積していきたいと思うので、皆様ぜひご協力ください。
進振り日程の前倒し
大雑把に、以下のように前倒しされる。
内容 | 旧進振り制度 | 新進振り制度 (進学選択制度) |
---|---|---|
第一段階 | 9月上旬 | 7月上旬 |
第二段階 | 9月下旬 | 7月下旬 |
第三段階 | 8月下旬 | |
再志望 | 10月上旬 | 9月上旬 |
2Aセメスター開始 (旧4学期開始) |