文一生の「法学部離れ」進む
6月18日、東大の全2年生を対象に3年次以降の希望進学先を調査した「進振り志望集計」が発表され、文一(文科一類)の学生のうち法学部を志望する学生の割合が、過去最低の83.2%を記録したことが分かった。
約2割の文一生は法学部以外を志望
学部 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 |
---|---|---|---|---|
法学部 | 432 | 412 | 383 | 376 |
(90.9%) | (87.5%) | (87.0%) | (83.2%) | |
教養学部 | 20 | 36 | 28 | 32 |
経済学部 | 3 | 4 | 5 | 16 |
文学部 | 6 | 7 | 11 | 11 |
工学部 | 4 | 9 | 5 | 9 |
農学部 | 3 | 1 | 3 | 5 |
医学部 | 3 | 0 | 2 | 2 |
教育学部 | 3 | 2 | 3 | 1 |
理学部 | 1 | 0 | 0 | 0 |
薬学部 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 475 | 471 | 440 | 452 |
2014年度進学振り分け(2013年実施)に臨む文科一類の2年生は452名である(現時点における進振り参加資格を満たした人数。今後の成績次第では参加資格を失う者が出てくる可能性もある)が、このうち法学部を第一志望として登録した文一生の人数は376名と、全体の83.2%に留まった。
つまり、「文一といえば法学部」との認識とは裏腹に、約2割の文科一類の学生は、法学部以外の学部を志望していることになる。では、彼らは一体どこの学部を3年次からの進学先として希望しているのだろうか。
法学部の次に人気を集めたのは教養学部、中でも総合社会科学分科(相関社会科学・国際関係論コース)の人気が高く、20名の文一生が志望している。総合社会科学分科は、外交官のほか、国際機関やジャーナリズムに多数の人材を輩出してきた学科である。
続いて経済学部。特に今年は志望者が前年と比べ3倍超と、大幅に志望を増やしている。
文学部への志望は行動文化学科の3専修(心理学・社会心理学・社会学)が、工学部への志望は都市計画コース(都市工学科)や建築学科が、農学部への志望は農業・資源経済学専修への志望が中心であった。
医学部への志望者2人は両者とも医学科を志望しており、重度の学歴コンプレックスの疑いがある(もしくは高度な情報戦に加担している可能性がある)。
法学部は再び定員割れか
定員 | 指定科類枠(専用枠) |
全科類枠 (実質傍系枠) |
|||
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文一 | 理科 | 文二三 | |||
法学部 | 415 | 395 | 6 | 2 | 12 |
前年の進振りでは、進振り制度改革以来初となる法学部文一枠の底割れ(定員割れ)が起こり話題となったが、今年は前年よりもさらに志望者が減少しており、二年連続で法学部文一枠が底割れを起こすとの見方が強まっている。
法学部の定員は415名であり、そのうち文一専用枠として395名分が割り当てられている。現時点で文一からの法学部志望者は376名であり、19名足りていない。実際にはここから志望変更がありうるが、過去の例を見るにそれほどの人数が動くとは考えにくく、情勢は厳しいと言わざるをえないだろう。
二年連続の底割れ(定員割れ)となれば、また週刊誌に意味もなく叩かれることは間違いない。