東大現代文対策
東大国語は、2000年度入試以来、
- 第一問:現代文(評論文。文理共通問題)
- 第二問:古文 (文科理科で同一出典の際は、文科は理科より設問数が多い)
- 第三問:漢文 (文科理科で同一出典の際は、文科は理科より設問数が多い)
- 第四問:現代文(随筆文等。文科のみ)
という形式が続いています。本ページでは、このうちの現代文について取り上げます。
古文については「東大古文対策ページ」を、漢文については「東大漢文対策ページ」をそれぞれご覧ください。
目次
東大現代文の試験概要
現代文は国語の試験内で、古文・漢文と一緒に出題されます。東大国語の試験概要については「東大国語の試験概要」をご覧ください。
出題形式
文理共通の第1問と、文科各類(文系)にのみ出題される第4問があります。
第1問は評論文(論説文)が出題され、問題は、2行論述×3問(2016年度までは4問)、120字要約(論述)×1問、漢字書き取り×3題、という形式が続いています。
第4問は随筆文(随想文、回想録、小説、抽象度の高い評論文等な年もある)が出題され、問題は、2行論述×4問、という形式が続いています。
論述問題は、ほとんどの場合において、内容説明(どういうことか、説明せよ)か、理由説明(なぜか、説明せよ)のどちらかの形式で問われます。
東大現代文の基本戦略
1行に何文字書くのか
東大現代文には、2行分の解答欄に答えを記述する、2行論述問題が登場します。解答欄は、1行が縦約135mm、横幅約8mmとなっており、1行にはだいたい30~35字ぐらいを書くことができるので、2行で合計 60~70 字を目安に書くことになります。過不足はあっても構いませんが、あまりにも小さい字で記述すると(採点はしてもらえるでしょうが)心証はあまりよくありません。
なお、試験問題の表紙に「解答は、一行の枠内に二行以上書いてはいけません。」と注意書きがされている通り、1行に2行以上解答するのは反則です。
また、解答欄をはみ出して記述するのも反則です。
適切な文末処理を行う
設問の問いかけに対応した形で文末を結んでください。例えば、「どういうことか」問題では、「~ということ。」もしくはこれに類する形で解答を結ぶようにしてください。
また、文末には、必ず句点(。)をつけてください。
句読点も一字と数える
120字要約問題は、文頭の一文字は空けずに、一マス目から解答を書き始めてください。
また、120字要約問題は、問題文に「句読点も一字と数える」との注意書きがあります。これは、原稿用紙の使い方とは違い、行末に読点(、)が来た場合、同じマスに文字と読点を書いてはいけないということです。読点は次の行の行頭に一マス分を使用して書いてください。同様に、句点(。)についても、最後の120文字目に文字と句点を併存させることはできません。
答案を添削してもらう
なるべく、答案は信頼できる先生に添削してもらいましょう。自分では意味の通る文章だと思っていても、他人目線だと論理性に欠け、全く伝わらない文章になっていることもあるかもしれません。
東大現代文のおすすめ参考書・問題集
本サイトで紹介する勉強法・参考書は一例です。ご自身の現在の学力や学校・塾の授業進度等に応じて、適宜調整ください。
現代文用語
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現代文キーワード読解 現代文の頻出キーワードを科学・哲学・近代などのテーマ別に解説した参考書です。
現代文に登場する基礎的な用語(キーワード)に不安がある受験生向け。
読解基礎
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現代文読解力の開発講座 現代文の問題文をなんとなく読んで、なんとなく解答している人向けです。
本書は、そもそも現代文の文章にどう向き合ったらよいのかを解説した、入門書的な参考書です。現代文読解の基礎の基礎を確認し、読解力を鍛えるための礎としたい受験生用の参考書となっています。
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入試現代文へのアクセス 基本編
入試現代文へのアクセス 発展編
入試現代文へのアクセス 完成編 現代文の文章の読解法と、解答の記述法の双方が、バランスよく解説された参考書です。
基礎→発展→完成、の順で難易度が上がっていきます。
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得点奪取現代文 記述・論述対策 記述力・論述力を鍛えたい人向け。
読解力は既に(ある程度は)身についており、文章の大意は読み取れるものの、答えをうまく答案に落とし込めない受験生用の参考書です。
読解演習
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上級現代文Ⅰ
上級現代文Ⅱ やや難しいですが、現代文の演習教材としてかなり上質です。
解説が大変詳しく、採点基準や誤答例まで掲載されています。
ある程度、評論文の読み方や、答案のまとめ方を知った上で本参考書に取り組みましょう。
過去問演習
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東大の現代文27カ年(赤本) 一部の解答例については納得のいかない人もいるかと思いますので、できれば、信頼のできる先生に答案の添削をお願いしたいところです。
もし添削を依頼できる先生がいない場合は、仕方ないので、インターネットで予備校の解答速報を検索する等してなるべく多くの解答例を手に入れ、自分の答案と比較検討しましょう。
漢字対策
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漢字マスター1800+ 四訂版 (河合塾シリーズ) 1問1点とも2点とも言われる漢字書き取り問題ですが、難しい問題は出ないので、全問正解を狙いたいところです。
不安な方はこの本一冊ぐらいはやっておきましょう。漢字対策の定番本です。
東大現代文のQ&Aまとめ
2行論述は何文字書けばよいのか
1行あたり30~35字、2行で合計 60~70 字が目安です。
詳しくは、「東大現代文の基本戦略#1行に何文字書くのか」を参照ください。
文系第四問が解けない
文系第四問は、問題文が抽象的で大意を把握しにくい上に、答案も非常に作りにくい難問です。
入試本番の得点開示を見ても、合格者でさえほとんど点が来ていないものと推測されます。
よって、現代文第一問、古文、漢文の勉強を優先し、現代文第四問に特化した対策は後回しとするのが基本的な戦略となってくるかと思います。
現代文第四問でも多少は点数の確保を狙いたい場合は、本文中の表現・言い回しだけで解答するのはまず不可能なので、多少アグレッシブに攻めて、採点官に私は分かってるんだぞ、とアピールするようにしましょう。ただし、文章の大意を激しく逸脱した表現になっていないか、そもそも文章構成が破綻していないか、きちんと意味の伝わる答案になっているか等々に関して、過去問演習の際には必ず添削を依頼するようにしてください。
東大現代文の問題出典一覧
「東大国語#東大国語・出典一覧」を参照ください。
勉強法・参考書まとめページ一覧
順次更新予定です。
- 共通テスト対策
- 東大二次試験対策