東大古文対策
東大国語は、2000年度入試以来、
- 第一問:現代文(評論文。文理共通問題)
- 第二問:古文 (文科理科で同一出典の際は、文科は理科より設問数が多い)
- 第三問:漢文 (文科理科で同一出典の際は、文科は理科より設問数が多い)
- 第四問:現代文(随筆文等。文科のみ)
という形式が続いています。本ページでは、このうちの古文について取り上げます。
現代文については「東大現代文対策ページ」を、漢文については「東大漢文対策ページ」をそれぞれご覧ください。
目次
東大古文の試験概要
古文は国語の試験内で、現代文・漢文と一緒に出題されます。東大国語の試験概要については「東大国語の試験概要」をご覧ください。
出題形式
文系理系とも第2問で出題されます。近年は、問題の出典は同じですが、設問の数(と難易度)で文理に差をつけています。
設問は、現代語訳と傍線部の内容説明・理由説明問題を中心として、年によっては和歌の解釈といった問題も出題されます。いずれの問題も、記号選択式ではなく、記述式(論述式)で出題されます。
東大古文の勉強法・基本戦略
現代語訳は逐語訳が原則
古文の現代語訳は逐語訳が原則です。意訳は極力避けてください。
現代語訳問題は、訳のセンスを問うているわけではありません。古文単語、助動詞、敬語等を、漏らさず厳密に現代語に言い換えてください。
1行に何文字書くのか
1行あたり30~35字がとりあえずの目安と考えましょう。多少の過不足は構いません。
なお、1行に2行以上書いたり、解答欄をはみ出して書くのは反則です。
適切な文末処理を行う
設問の問いかけに対応した形で文末を結んでください。例えば、「どういうことか」問題では、「~ということ。」もしくはこれに類する形で解答を結ぶようにしてください。
また、文末には、必ず句点(。)をつけてください。
答案を添削してもらう
なるべく、答案は信頼できる先生に添削してもらいましょう。自分では意味の通る文章だと思っていても、他人目線だと論理性に欠け、全く伝わらない文章になっていることもあるかもしれません。
東大古文のおすすめ参考書・問題集
本サイトで紹介する勉強法・参考書は一例です。ご自身の現在の学力や学校・塾の授業進度等に応じて、適宜調整ください。
古文単語帳
古文単語帳については、基本的に学校や塾で配られたであろう単語帳を仕上げれば問題ありません。
ただし、どうしても配られた古文単語帳が合わない、別の単語帳をやりたい、という場合には、以下のような単語帳がおすすめです。
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読んで見て覚える重要古文単語315 正統派の古文単語帳です。イラストや図も活用し、語の成り立ちや意味の広がり等も書かれた古文単語帳です。
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新ゴロで覚える古文単語革命645 古文単語がどうしても覚えられない場合は、語呂合わせに頼りましょう。蛇蝎のごとく語呂合わせを嫌う方もいますが、本項の執筆者的には、覚えられれば別に語呂合わせでもいいのではと思っています。
ただし、反語呂合わせ派の主張にもあるように、語呂合わせ単語帳だけで済ませてしまうと、古文単語の語源や派生単語の理解が疎かになりがちです。そこで、語呂合わせで一通り単語を覚えた後は、語呂合わせではない正統派の古文単語帳をざっと見直してみることをおすすめします。
古文文法
古文文法の参考書についても、基本的に、学校や塾で配られたであろう文法の本を使えば問題ありません。
配られてない方や、配られた文法書が合わない、別の文法書も比較検討したいという方は、以下の参考書あたりがおすすめです。
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マドンナ古文 古文読解に必要な文法知識を(品詞の分類と活用から順番にではなく)理解しやすい順番に並べ替え、分かりやすくした参考書です。
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古文上達 基礎編 読解と演習45 体系的に文法を学べるように整理された参考書です。学んだ知識をすぐにアウトプットできるよう、練習問題もついています。
古文読解
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古文解釈の方法 古文の文章を読み進めていくための手順についてまとめた参考書です。
「逐語訳と内容を大づかみにする方法」「活用について」「助動詞の解釈」「助詞の解釈」「敬語と解釈」「引用文と挿入」「受身と使役の扱い方」「和歌の解釈について」の8講で構成されています。
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得点奪取古文 記述対策 記述問題対策の、解説が詳しいことで定評のある参考書・問題集です。解釈問題・説明問題・要約問題それぞれについて、解法に至るプロセスを学ぶことができます。
採点基準が細かく提示されるため自己採点がしやすく、自学自習がしやすい問題集です。
古文常識
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マドンナ古文常識217 絶対に必要というわけではないですが、そもそもの古文の世界観や背景知識を知っておくと、文章読解がしやすくなります。余裕があれば読んでおきたい参考書です。
過去問演習
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鉄緑会東大古典問題集 他の過去問題集を圧倒する内容量
と値段の問題集兼参考書です。漢文もセットです。毎年7月頃に、最新年度用に直近10年分の問題と解説が収録された問題集が発売されます。
解説が非常に詳しく、自己採点用の細かい採点基準だけでなく、実際の鉄緑生の解答例を元にどういう解答なら点が貰え、どういう解答ならダメかを学ぶことができます。
付録に「古文単語集成」「古典文法基本事項」「漢文基本句法」もついてきます。
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東大の古典27カ年(赤本) 漢文もセットです。過去問や演習教材が尽きた受験生向けです。
その他
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「あさきゆめみし」シリーズ(完全版全10巻) ご存知、『源氏物語』をマンガ化した作品です。
東大古文対策の参考書として『あさきゆめみし』が挙げられるのは、かつて東大古文で毎年のように『源氏物語』が出題されていた頃の名残です。近年では『源氏物語』が東大古文の出典として登場するのは稀ですが、一般常識として知っておく分には損はないですし、出たら儲けものぐらいの気持ちで、勉強の息抜きに読んでみるのはいかがでしょうか。
東大古文のQ&Aまとめ
論述問題は1行に何文字書けばよいのか
1行あたり30~35字がとりあえずの目安と考えましょう。
詳しくは、「東大古文の基本戦略#1行に何文字書くのか」を参照ください。
東大はなぜ古文・漢文を必須としているのか
東大が国語で古文・漢文を出題する理由については、募集要項に以下のように記載されています。
「国語の入試問題は、『自国の歴史や文化に深い理解を示す』人材の育成という東京大学の教育理念に基づいて、高等学校までに培った国語の総合力を測ることを目的とし、文系・理系を問わず、現代文・古文・漢文という三分野すべてから出題されます。本学の教育・研究のすべてにわたって国語の能力が基盤となっていることは言をまちませんが、特に古典を必須としているのは、日本文化の歴史的形成への自覚を促し、真の教養を涵養するには古典が不可欠であると考えるからです。このような観点から、問題文は論旨明快でありつつ、滋味深い、品格ある文章を厳選しています。学生が高等学校までの学習によって習得したものを基盤にしつつ、それに留まらず、自己の体験総体を媒介に考えることを求めているからです。本学に入学しようとする皆さんは、総合的な国語力を養うよう心掛けてください。」
東大古文の問題出典一覧
「東大国語#東大国語・出典一覧」を参照ください。
勉強法・参考書まとめページ一覧
順次更新予定です。
- 共通テスト対策
- 東大二次試験対策